現代の男性には(例外はあるだろうが)そういう家全体の支配権がなく、自分の坐るべき定点が見つけにくい。先の話と対応させると、これも、だからといって男性の地位が“低下”したという風に短絡的評価をすべきではないが、御本人が時として所在ない思いをすることは確かである。一般的に日本の住宅の一戸当たりの居住面積は十分とは言えない。しかし、それが大戦前の平均的な住宅に比べて狭くるしく感じられるのは、必ずしも絶対的な規模の問題ではない。
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たしかに住空間の広さは限られている。しかし本質的な問題は、その限られた住空間の使われ方が戦前と大きく異なってきていることにある。現在の標準的な住宅概念の中では、家事労働の軽減化、快適化という要求を満たすために、厨房(あるいはDK)、ユーティリティといったスペースが量的に拡大し、また位置の上でも優遇されている。