投資領域に関して着目すべき変化は、個別のJ−REIT銘柄の投資領域が狭くなるという点であろう。J−REIT市場の規模が小さかったこれまでは、市場全体の縮図であった総合型REITもある程度評価されてきた。しかし、投資家の銘柄選定基準が厳しくなるほど、総合型は評価されなくなるであろう。日本のREIT市場が拡大し、注目度が高まるほど、厳密にアロケーションを決めたいという投資家が増えることが予想される。そういった変化のなかで、総合型と銘打ちながら、実際にはオフィスに特化するような銘柄も現れはじめている。
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現在も総合型を継続しているJ−REITが二〇銘柄ほどあるが、今後これらの銘柄のいくつかは戦略変更を求められるであろう一部の海外市場では、高い専門性を持ち、グローバルに展開するREITが登場する可能性もある。たとえば、世界中の主要都市のトロフィービルを組み込んだグローバルREITが生まれる可能性などである。シンガポール、ニューヨーク、上海、ロンドン、東京のトロフィービルだけを組み込んだREITを魅力的と評価する投資家は多数いるであろう。ただし、そのREITがJ―REITとして生まれるには日本の資本市場改革が必要条件になろう。現在の東京証券取引所は、海外投資家にとって魅力的な市場になっているとはいえず、世界のなかでも存在感が急速に薄れつつある。アジアや欧州の資本市場に追い抜かれる可能性も高く、不動産のファンダメンタルズ以外の要因が、J−REIT市場の脅威となりうる。